定性調査と定量調査の手法ご紹介
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定性調査と定量調査の手法ご紹介

こんにちは。電通マクロミルインサイト(以下:DMI)経営企画チームです。

皆さんはマーケティングリサーチの手法についてどのようなものがあるのかご存じでしょうか。実際に調査会社に依頼したことがないとあまり知らない方も多いと思います。そこで本日はマーケティングリサーチの手法についてご紹介いたします。 

リサーチの手法は、大きく分けて2種類あります。
・アンケートのように多くの方に意見を聞き量的な情報をとる「定量調査」
・インタビューのように限られた方に意見を聞き一つ一つの回答の質を重視         する「定性調査」
それぞれの特徴や具体的な手法について順番にご説明いたします。

1 定量調査

定量調査は、数多くの回答を集め、結果を数値として分析をする調査です。例えば、「何%の人がXXという商品を知っている。」といったデータを重視します。定量調査は、市場やターゲットの大まかな傾向を手早く把握する際や、仮説検証、広告の効果測定などによく利用されます。

結果が数字でまとめることができるため、わかりやすく解釈ができることがメリットです。
一方、質問は事前に準備しておく必要があり、「なぜそのような回答をしたのか」など深い理由を詳細に聞くことに向いておらず、結果をみて更に追加の質問をすることが難しいなどの、デメリットもあります。

代表的な手法にインターネットリサーチ・郵送調査・電話調査・訪問調査・会場調査などがあり、それらの調査手法について詳細を説明いたします。

1-1 インターネットリサーチ

インターネットリサーチは、web上でアンケートに回答する調査手法です。
以前はパソコンでしか回答できませんでした。しかし、近年のスマートフォンやタブレットの普及により、小さい画面でも見やすいアンケート画面も開発され、ちょっとした空き時間や移動時間で回答できるようになり、利便性は向上しています。

さらに、それらが普及したことにより、商品画像や広告動画などについてのアンケートをより実施しやすくなりました。

また郵送、訪問、会場調査と比べても低コスト、短時間で多くのデータを収集できることから、最も利用されている手法の一つです。
対象者条件も登録情報を基に絞ることができるので、地域、年齢、性別などで細かく絞り込んだアンケートが可能です。

インターネットリサーチで明快な結果を得るためには、調査票設計がとても大切です。調査票設計のポイントや注意点については「定量調査での調査票を設計するときに気を付けるべき7つのポイント」について解説している記事でご紹介していますので、ぜひご覧ください。

1-2 郵送調査

郵送調査は、紙のアンケート用紙を対象者のご自宅や企業に郵送し、アンケート回答後に、送り返してしていただく調査手法です。

BtoC、BtoBを問わず、取り扱いやプロジェクト進行が繊細な顧客名簿からの調査、企業向けの調査などにも有効です。しかし、対象者に返送をしていただく必要があるため、アンケート結果が出るまでに時間を要します。

1-3 訪問調査

訪問調査は、専門調査員が実際に対象者のご自宅を訪問し、回答を得る調査手法です。直接、対象者と面会するため高い回答率が期待できます。
しかし、近年は人々の意識の変化によって突然の訪問者に対して不信感を抱く方もいらっしゃるため、調査の許諾を得るのが難しくなっています。

訪問調査には、調査員が対象者のお宅を訪問し、マンツーマンで調査票にしたがって質問を行い、その場で回収する「訪問面接調査」と調査員が対象者のお宅を訪問し、調査票を預け、後日回収する「訪問留置調査」の2種があります。

 1-4 会場調査

会場調査は、対象者を指定の調査会場に集め、実際に商品やサービスを試してもらい、その使用感や、食品であればパッケージやその味について、その場で回答してもらいデータを回収する調査手法です。

後ほどご説明するグループインタビューに比べ、詳細に評価を取ることはできません。しかし、会場内で調査が完了するので、短時間で適切な回答を得られます。また情報漏洩のリスクがインターネットリサーチよりも低く、秘匿性が高い環境を担保した状況のため、まだ市場の情報を出せない未発表の試作品や開発段階の商品などについて、調査を実施することが可能です。

競合他社の商品と比較する調査で試食や試飲する際に、テスト環境を統一して調査を実施できるのも会場調査のメリットです。デメリットは会場の使用料や人件費が発生するためコストがかかります。

1-5 ホームユーステスト

ホームユーステストは、すでに発売された製品や開発途中の試作品などを調査対象者のご自宅などの郵送し、生活の中で利用してもらい、意見や感想などを収集する調査手法です。

実際に利用しながら回答してもらうため、記憶に頼らずに実感としての情報を得やすいのが特徴です。また一定期間のテストを依頼することができるため、利用初期時点、中期、後期など時間的な変化についての情報を収集できます。

さらにヘアケア用品や調理器具など、家庭で実際に利用しながらでないと評価が取りにくい商品や、インタビュー調査では意見収集が難しい対象物でも調査が可能です。

また商品名や会社名をブランクにすることで先入観を与えずに調査を実施することもできます。そのため商品を試した対象者からの本音を引き出すことができるので、商品を改善、改良するヒントを得ることも可能です。

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2 定性調査

定性調査は、インタビューなどによって収集した調査対象者の生の声、実際に観察した行動などの情報を通じて、人々の意識や感情、行動に至ったプロセスを把握する調査です。

定量調査でわからなかった対象者の深層心理や行動の理由についての情報を得ることができます。また、インタビューを実施することで対象者の表情や反応、しぐさなどから潜在的なニーズ、対象者のインサイトといった、言語以外の情報を収集できます。

代表的な手法に6人前後で行う「グループインタビュー」、1対1で行う「デプスインタビュー」があります。また人の無意識の行動から情報を得る「行動観察調査(訪問観察調査)」、オンライン上でインタビューを行う「オンラインインタビュー」があります。

直接インタビューを行う関係で一度に大量の回答を集めるのは不向きです。あくまで少数の意見を深堀していくことが目的なので、消費者全体を捉えるような目的には向いていません。

2-1 グループインタビュー

4~6名を座談会のような形式をとり、決められたテーマに沿ってインタビューする調査手法です。

参加者同士がそれぞれの発言内容に刺激を受けて、活発な意見交換が起こることで、「あ、そうそう、それは私も思っていた」「そういえば思い出したけれど、こんなことがあった」のような相乗効果が期待でき、幅広い意見や多くのアイデアを収集することができます。

モデレーターと呼ばれる司会者が、司会とインタビューを行います。それ以外の調査関係者は、隣にあることが多いミラールームからインタビューの様子を見ることができます。
インタビューを観察することで発言からではくみ取れない、対象者の表情や身ぶり手ぶりなどの動きも観察できます。


2-2 デプスインタビュー

デプスインタビューはインタビュアーと対象者が1対1で行う調査手法です。生活者の態度や潜在意識に隠されているものについて深掘りができ、個人の感情や心のうちを探りたいときにも有効な調査手法です。

個人の感情や心の内を深堀することができるため、個人の潜在的なニーズや要望が知ることができ、その意思決定におけるプロセスが解明できるメリットがあります。

例えば住宅や自動車などの高単価で検討期間が長い商材の購買プロセスや心理的変化、意思決定のポイントの把握や、資産形成・教育・病気・美容に関する考えなどに有効的です。

また1対1のため他者に影響されず、遠慮のない意見を聞けるメリットがあります。それに対して、デメリットは一人に対して30分~1時間程度のインタビューになるため調査単価が高いこと、あくまで個人の意見に留まってしまうことがあります。


2-3 行動観察調査(訪問観察調査)

行動観察調査(訪問観察調査)はインタビューだけでなく、対象者の自宅に訪問して日常生活での日々の行動を観察し、言葉以外からも人の行動がもつ情報を得る調査手法です。

例えば、既存の商品が家庭ではどのように使われているかを実際に訪問して確認し、商品の課題や仮説を見つけ出すことで、新しい商品を開発する際のヒントを得ることができます。
行動観察調査(訪問観察調査)は、その人の行動や生活環境に現れる「無意識」にも迫ることが可能です。

人は無意識に行動していることが多々あります。行動観察調査(訪問観察調査)は、「なぜその行動をしたのか」の言葉では説明ができない無意識の中にある潜在的な問題を見つけることができ、新たな仮説を導き出すことも可能です。

2-4 オンラインインタビュー

オンラインインタビューはZOOMなどのWeb会議サービスを活用して、オンライン上で対象者にインタビューを行う調査手法です。
デバイスに関係なくインターネット環境さえあれば、どこでも実施することができ、対象者にとって、場所と時間の制約が少なくなります。

そのため、小さいお子様をお持ちの方や妊娠中の方、外出が難しい方など、インタビュー会場に足を運ぶのが困難な方にインタビューを実施することが可能です。

また、対象者は自宅などのプライベートな環境でインタビューに参加する場合が多いため、会場でのインタビューよりリラックスしてより回答できます。そのため、踏み込んだ内容や遠慮なく率直な意見が聞ける場合もあります。

まとめ

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なお、定量調査と定性調査はどちらが優れている、ということではなく、補完関係にあります。そのため調査目的に応じた適切な使い分けや組み合わせを行うことが重要です。その様に何度も調査を行うことで調査結果をさらに深堀できるとよりよい結果を導き出すことができるはずです。

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