定量調査での調査票を設計するときに気を付けるべき7つのポイント
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定量調査での調査票を設計するときに気を付けるべき7つのポイント

こんにちは。電通マクロミルインサイト(以下:DMI)経営企画チームです。

今回は、インターネットリサーチを実施する際に重要となる調査票作成についてお伝えいたします。
明快な結果をリサーチから得るためには、調査票設計がとても重要です。
調査票設計のポイントや注意点をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。


調査票設計をする前に考えること

マーケティングリサーチを実施する際、リサーチ会社を選定したり質問項目を設計する前に考えることがあります。

それは、現在抱えている課題の整理、仮説構築、調査企画というプロセスです。
課題の整理については別の機会に紹介いたします。
今回は仮説構築と調査企画について、考えるべきポイントを3つ簡単にご説明します。

準備1:仮説を立てる
調査結果をビジネスに活用するために、最も重要なことは「仮説」を立てるです。もし仮説がないとあらゆる情報を広く収集しないと必要な情報が得られないため、具体的なアンケートを作成することは困難です。

仮説を立てることによって設問文や選択肢をより具体的にすることができ、深いことを聞き取りする調査票に仕上がります。
仮説を立てるときに大事なのは、より具体的に問題を明らかにすることです。例えば、

「商品は認知されているが、購入までに至らないのはパッケージが原因では?」

という仮説では不十分です。この仮設から調査設問を考えると、パッケージのデザイン、色、サイズ、コピーなどあらゆることを聞かないとパッケージの何が問題かわからないからです。

「競合他社と比べて食欲をそそるデザインではないのでは?」
「商品の写真が大きすぎて特徴が伝わらないのでは?」
「パッケージのキャッチコピーが弱いのではないか?」

のように、具体的すると良いでしょう。そうすれば、調査をするときに聞くべき内容が絞られるため、より効率的に調査をすることができます。

準備2:調査企画①~目的とテーマを決める~
仮説を立てたら目的やテーマを決めましょう。調査をする目的は「意思決定や次に取るアクションを決めること」です。意思決定のためにどんな情報が必要か、を具体的にするとそれが調査企画の骨子になります。

例えば、「来期の広告宣伝費の配分を決めるために、TVCMやインターネット広告での認知率を知りたい」のようなイメージです。
目的やテーマを設定することによって、「どんな情報を収集・分析すればよいか」が明確になるため、実際に調査を実施した際に望む結果も現れてくると思います 。

準備3:調査企画②~誰に調査するかを決める~
目的が明らかになったら、調査を誰にするか、対象者を決めます。対象者は、性別、年代、居住地、職業、役職、子供の有無などで絞り込みます。

例えば「20代~40代の女性で関東に在住」のようにある程度は幅広く設定するといいでしょう。幅広く聞くことによって、年代や地域によってどのような傾向があるのか、差を比較することができます。

また、対象を具体化しすぎると人数が不足してしまいアンケートが集まらない可能性があります。
「群馬県在住、20代、女性、缶ビールを毎日5本以上飲む人」のように細かくすると調査対象の方がいない、ということも起こります。
どの程度までの対象条件にするかは明確にしておく必要があります。

調査票を作成する際の7つのポイント

ではここから実際に調査票を作成するときのポイントについてご説明します。まず、設問文を作成するときのポイントは下記の図にあります。
全てに共通する考え方は、誰が読んでも同じ解釈をして同じことが回答できるか?ということです。以下で、具体的に見ていきましょう。

1.質問の対象を明確にする
下記の【よくない例】では、自分が使っているものなのか、家族が使っているのか。また携帯タイプなのか、卓上タイプなのかなど、人によって解釈が異なるため、明確な回答を得られない可能性があります。
そのため「誰が」「何」について聞いているのかの記載を忘れないようにしましょう。

【良い例】
現在あなたがご家庭内、または携行して使用している除菌商品をお知らせください。
【よくない例】
現在使用している除菌商品をお知らせください。

2.期間の定義を明確にする
また購入時期や行動頻度を聞く質問は期間を明確にしましょう。例えば、最近買ったもの、という質問をすると人によっては「最近」を1週間くらいと捉える人もいれば1年前のことを「最近」という人もいます。

そのため、「最近半年以内に」や「最近3カ月以内に」など期間について具体的な表現を入れるとより精度の高い回答データを得られます。

【良い例】
あなたが最近3カ月以内に買ったことがある消臭除菌剤のブランド名お知らせください。
【よくない例】
あなたが最近買ったことのある消臭除菌剤のブランド名をお知らせください。

3.同じ設問で1つのことしか聞かない
同じ設問で2つのことを聞くと回答者はどちらについて回答するのか、わからなくなってしまいます。

下記の【よくない例】では、「商品」か「サービス」のどちらについて聞いているのか、回答者が迷ってしまい、回答できない方もいらっしゃいます。
設問文では1つのことについて記載するようにしましょう。

【良い例】
あなたはコンビニエンスストアの商品についてどの程度満足していますか。【よくない例】
あなたはコンビニエンスストアの商品やサービスについてどの程度満足していますか。

4.専門用語は使わない
普段の業務で使っている言葉が一般的には専門用語だったりしています。
例えば「携帯キャリア」です。

一般には「携帯電話会社=キャリア」という認識が広まっていますが、厳密には固定電話なども含めた電気通信事業者を総じて「キャリア」と称するため、三大キャリアをはじめ全国各地の電話関連企業は、すべて「キャリア」です。

もし、回答者に専門家の方がいると上記のように解釈し、違うことを答えることもあります。
そのため「携帯キャリア」は「携帯電話会社」に変えましょう。
普段何気なく使っている言葉が専門用語ではないかと疑問をもって調査票を作成するとよいでしょう。

【良い例】
あなたは携帯電話会社のサービスについてどの程度満足していますか。
【よくない例】
あなたは携帯キャリアのサービスについてどの程度満足していますか。

5.設問文を短くする
近年の回答者はPCではなくモバイル端末で回答することが多いです。設問文が長いとスクロールする回数が多くなり、途中で回答を止めてしまう可能性があります。そのため設問文は短縮化をしましょう。

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設問の順番

設問の順番も意識して作成しないと回答に偏りがあるデータになってしまいます。
アンケートはただ並べれば良いというものではありません。
明確なデータにするために構成として大切なのは矛盾する回答データを出さない設問順にすることです。

6.構成を意識して作成する
前提として、ネットのアンケートでは一度回答すると、一つ前の設問に戻ることはできません。そのため、順番が大事です。

例えば買ったことがある(購入経験)ブランドを聞いた後、知っている(認知)ブランドを聞くとします。答え方によっては、購入経験があるのに認知していないブランドがあるという結果になる可能性があります。

そのため認知⇒購入経験の順にしないといけません。

また選択肢にも注意が必要です。
認知⇒購入経験の順にしていても、購入経験の設問で全ての選択肢を表示していると、「認知していないのに、購入経験がある」のような回答データが出てしまう可能性があります。
それを避けるために選択肢は「選択されたものしか表示しない」設定が必要になります。

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7.前の質問が後の質問の回答に影響を与えることを回避する
商品の特徴について解説がされている設問の後に購入意向をきくのようなことは避けましょう。
前の設問で特徴を説明されてしまっているため先入観を持ってしまい、純粋に買いたいかどうかの回答データが取れない可能性があります。回答者の気持ちに変化がないような設問順にすることも大切です。

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このように回答の流れを意識することが大切です。流れを意識しないと回答者が混乱してしまい、明確な回答ができない場合があります。自然な質問の流れを作ると、回答者にとって回答しやすくまた得られる結果も明確なデータになります。

回答形式

回答形式には主に下記の4つがあります。設問の内容によって使い分けるとより明確な回答データを集めることができます。

1.単一回答(SA)
1つの質問に対して複数の選択肢の中から最もあてはまる1つの選択肢を選ばれる回答形式のことです。全体に占める割合を捉えたいときや、回答を絞りたいときなどに有効です。
「以下の中から当てはまるものを1つお選びください。」などの質問の聞き方があります。

単一回答の例
【設問文】
あなたはプライベートの海外旅行をどのくらいの頻度でしていますか。
【選択肢】
1. 週に1回程度
2. 月に1回程度
3. 2~3か月に1回程度
4. 年に2~3回程度
5. 年1回程度
6. 2~3年に1回
7. それ以下
8. わからない
9. 海外旅行はしない

2.複数回答(MA
1つの質問に対して複数の選択肢の中から該当する選択肢を選んでもらう回答形式のことです。
選択肢ごとの回答者割合の違いを捉えたいときに有効です。
「あてはまるものをいくつでもお選びください」などの聞き方があります。

複数回答の例
【設問文】
あなたはプライベートで海外旅行をする際に重視する点をお知らせください。あてはまるものをいくつでもお選びください。
【選択肢】
1. 総額の旅行代
2. ホテル
3. 航空会社
4. 観光地
5. 治安
・・・・
10.その他
11.あてはまるものはない

3.自由回答(FA)
文章や単語を回答者自身に記入してもらう回答形式のことです。1単語のみ場合から長文を入力してもらう場合があります。
回答者の率直な意見や感想、こちらが想定できないような回答を得たいときに使います。

自由回答の例
【設問文】
あなたがプライベートで海外旅行に持って行くラッキーアイテムを教えてください。何もない場合は「なし」とご記入ください。

4.段落回答(スケール回答)
「そう思う、ややそう思う、どちらでもない、あまりそう思わない、そう思わない」のように、段階を設定して、その中から一つ選んでもらう回答形式です。回答者の感情について聞きたいときに使う場合が多いです。

段階回答の例
【設問文】
あなたはプライベートでの海外旅行についてどの程度、関心がありますか。【選択肢】
・関心がある
・やや関心がある
・どちらともいえない
・あまり関心がない
・関心がない

「SA/MA」設問のときの選択肢で意識すべきたった一つのこと

回答形式が「SA/MA」のときの設問の選択肢を作成する際にもポイントがあります。それはたった一つですが【MECE】です。【MECE】とは英語の略語で「Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive」の略になります。日本語に訳すと【漏れなくダブりなく】です。つまり漏れなくダブりがない選択肢を作ることが意識すべき点になります 。

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まとめ             

調査票を作成する際の7つのポイントを解説させていただきました。

・質問の対象を明確にする
・期間の定義を明確にする
・同じ設問で1つのことしか聞かない
・専門用語は使わない
・設問文を短くする
・構成を意識して作成する
・前の質問が後の質問の回答に影響を与えることを回避する。

以上の7つが調査票設計をするときのポイントになります!ぜひマーケティングリサーチを利用し、調査票を作成する際は、ぜひご活用ください!

最後までお読みいただきありがとうございました。ぜひフォローやスキボタンのクリック、SNS等でのシェアを行っていただければと思います。

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